1987年9月号の「モデルグラフィックス」誌から始まった『ガンダム・センチネル』。
当時の私は9歳の鼻垂れ小僧でしたので当然同誌の存在すら知らず実家の近くにあった模型店「やまと」「モデルライフ」でセンチネルのキットと出会いその存在を知りました。たしか90年代初頭です。
詳しい事は私の頭脳では理解出来ませんでしたが(笑)MSVとはまた異なるハードボイルド且つモダンで独特の無機質な世界観にはかなりシビれた記憶が御座います。
そこから十数年後、大人になった私はデザインの仕事をするわけですが、この職業に就こうと思った大きなきっかけのひとつがこの「ガンダム・センチネル」で一躍ヒーローとなったカトキハジメ(当時かときすなお)氏との出会いによるところが非常に大きいと思います。(実際にお会いした事はありませんがwww)
ターンXをデザインしたシド・ミード氏の「トロン(初代)」でのデザインワーク、今は亡き英国シェフィールドのデザイナーズ・リパブリック、これらは若き日の私に強烈なインパクトを与え後の人生に大きく影響を及ぼしました。
とまあ、今回も冗長な前置きとなりました(笑)
そりゃあそうです。なんと言ってもあのゼータプラスがHGUC化されたのですから。
明らかにガンダムUCに登場したお陰です。UCに出ると聞いた時、いろいろな意味で我が耳を疑いました。
まさに奇跡とはこのこと。
肝心の出来の方は最新キットにしては「?!」な部分も確かに散見されますがそれでも良いんです!迷わず量産するべくまずは二箱買ってきましたwww
今回も素晴らしい箱絵です。
HGUCのボックスアートは日々進化していっています。
2体同時にパチ組しトータルで約2時間15分かかりました。
分解し易いようにピンをカットしたり、時折セメント接着してみたりした作業の内訳としましては
本体:約1時間37分
バインダー等:約19分
その他武器/差換えパーツ:約16分
といったところです。時刻が写りこんでましたね。お察しの通り徹夜ガンプラでした(笑)
まずは正面から。
!!!!!
セータプラスってこんなプロポーションでしたっけ????
暫く見なかった20数年の間、ひたすら筋トレでもしてたんじゃないかというくらい随分とパッツンパッツンした体型ですwwwww
ということで昨日のシュツルム・ガルスに続き設定イラストを用いておさらいしてみましょう。
左ふたつがセンチネル連載当時おそらくは80年代末期のC1、A1で右端がガンダムUC登場時に設定され2014年に公開されたイラストです。
本キットはep7登場の際に書き起された設定画に準拠して立体化されたとみて間違いないでしょうね。これはカトキ御大の絵ではなさそうな気がします。※違っていたらすみません。
このep7用に書起された新しいプロポーションは個人的には好みでないので私の力量で出来る範囲の作業でカトキハジメ先生の87年?の設定画に近づけたいと思います。
イラストをぱっと見して見比べると、胴体と太腿が短く上腕は短い上に位置取りに少々違和感があるのが原因であるような気がします。
(メカデザインの素人である私が偉そうなことを言って本当に済みません。。。。。_
さて件のイラストをよく見た後、本キットを見直すとかなり見え方が変わってくるから不思議です(笑)
ep7用に新たに書起されたイラスト程太腿は短くないですし、上腕も適度な長さとポジショニングが保たれています。従来のゼータプラスのデザインとの折衷案を採ってバランスを取ろうとしたのではないかと思います。大人のさじ加減だったのですね。。。
ただ伝統的にバンダイの連邦系1/144HGキットは胴体が異常に短いケースが多いのですが、今回もそうです。ここはきっちり延長し、可能であれば腰の回転をある程度は実現したいところです。
あと頭部が埋まり過ぎなのでここも少し持ち上げつつ可動範囲を拡大したいと思います。
いろいろと注文を付けましたが旧キットから作るよりも遥かに完成度高いものが出来ると思いますのでやはり感謝せずにはいられません。
背面。
A1なのでデルタプラス並みにスッキリしています。バックパックの類いは無しです。同日に発売されたシュツルム・ガルスもそうでした。面白い偶然です。
散々言っておきながら2体並ぶと何やら良い感じに見えます。見る角度によってかなり印象が変わります。自分の理想をもう少し具体化して作業に取りかかる必要がありそうです。
腕の上がり、肘の曲がり、頭部の可動はこのような感じです。
前腕は思いっ切りモナカ割ですがこれといって後ハメ加工が要らない構成ですので特に問題無いかと思います。
折角イケメンに造形された頭部ですが、埋まり気味のポジショニングが災いし干渉が激しいため左右には殆ど振れません。腰の回転も干渉によりほぼ全く動きませんのでポージングの幅はかなり狭いです。難しい改修ではないのでここだけでも弄っておけば完成後ポージングの幅が拡がると思います。
反面下半身の可動はZ系キットほぼ全てに言えますが良く動きます。
ここまで綺麗な立て膝は中々珍しいのではないでしょうか。
HGUCにしては珍しくリアアーマーも可動します。
太腿のビームカノンの干渉対策も出来ますので地味ながら非常に有難いです。
さて、テストショットの時からいろいろ言われていました脚部ですが、
当初の予定通り清々しい程のモナカ割りでリリースされました(笑)
内側に至ってはスラスター部を無慈悲に一刀両断しつつ、おまけに段落ちモールド処理まで施してあり、外側とあわせて取説の完成写真でも隠す事無くこの一直線をさらけ出しておりますwwww
ここは内側にある一番下の線だけ残して他は全て埋めようと思います。個人的にはどうにも受入れる事が出来ませんでした(笑)
となると後ハメ加工は困難を極めそうです。負荷の掛かる場所でもありますし私はマスキングして対応しようかと思っています。
太腿はこんな感じです。
如何にも膝上でロールしそうな形状ですが固定です。
説明書を読んだ時はここも改造してロール軸を仕込まねばと使命感に燃えていましたが、股間のBJの可動範囲が思いのほか広くて優秀だったため、このままでいこうと思います。
フェイス部。
センチネル顔とでも言いましょうか、独特の冷めたハンサムマスクで個人的には完璧な造形だと思います。
※2014年7月14日追記…
本日バンダイさんの発表により本キットのリコール問題が発表されました。
“頭部部品側面形状の成形による不具合(成形品B、部品No4の成形不具合)と、
股部分の前垂れ部品形状誤加工(成形品B、部品No31の形状誤加工)があることが判明いたしました”
公式発表のご案内と商品回収及び返金に関する詳細はこちらをご覧ください。
前垂れにと頭部の整形不良に関しては2014年7月12日時点で指摘されていた先輩がいました。それに引き換え私ときたら「完璧な造形」など抜かして全くもって修行がたりていませんでした(笑)
しかし発売日から2日で発表ですか、バンダイさんも対応が早いですね。
こういう時は潔さが大事ですからこうした姿勢はものづくりを生業にしている身である私も多いに見習いたいと思います。
劇中でも現実の世界でもUC版ゼータプラスの不遇っぷりに憐憫の情を抱かずにはおれずリコール品の本キットをもう一箱慌てて買い足しました。
バンダイさんの誠意ある対応と本キットに敬意を表し未開封のまま、記録として大事に保存しておこうと思います。
横から。
後に長い独特の形状を見事に再現しています。
合わせ目が出ますので後ハメ加工しようと思います。
ビームライフルはリゼルのものと同じデザインですが完全新規です。
ウイングバインダーやスタビレイター基部に接続出来るようにピンが仕込まれています。
シールドも非常に美しい造形とパーツ分割で再現されています。
Z系MSはシールドが大抵機首になりますから私がMSパイロットだったら破損を恐れて盾として使わず変形時に備えて大事に腕にぶら下げておくと思います(笑)
裏面も親切なパーツ分割と成形色分けがなされておりました。
ビームカノンはA1型特有のガード付きデザインです。
可動はこのような感じに。
デザイン上、ガードが邪魔してしまいますので後方へは回せません。
ビームサーベルは専用のグリップに汎用の刃パーツが付きます。刃の色は薄いブルーで美しいです。2本付属します。
足裏は別パーツで肉抜き穴の出ない有難い構成となっております。
可動範囲は最新キットとは思えぬ程狭いですが、イケメンは何かと得ですね(笑)それなりにカッコ良いのです。
2体並べると尚更!
客観的に比較するために歴代のZ系キットと並べてみました。
左からRGゼータ、HGUCリ・ガズィ、そしてHGUCゼータプラスすべて無改造のプロポーションです。
ゼータプラスだけやたらとバランスが悪いように思えます。
続いて改造中のHGUCリゼル隊長機と。
HGUCリゼルもパチ組だとけっこうな少年体型で胴が短いので延長しています。
まだバランス取りの最中なので随分とんがったプロポーションになっていますがこちらもそろそろ制作再開せねばなりませんね。
劇中のライバル機ジェスタと。
HGUCジェスタは並外れてスタイルが良いですね。ジェスタはHGUC版が私は一番好きですね。
ここからはお待ちかねのウェイブライダーへの変形です。
差換え用のパーツを用います。
個人的にはこの変形方式に大賛成です。思い切った差替え機構のおかげで両形態ともカッチリ感が出ます。
変形時にあまるパーツはこちらです。このパーツ構成は助かりました。これで心おきなくMS時のプロポーション改修が出来ます。
ウェイブライダー。
カラーリングも相まって軍用機然とした素晴らしい佇まいです。
横から見るとよく分かりますが、非常に薄く纏まります。差換え変形の恩恵ですね。
ウェイブライダーが二機並ぶと壮観なものがあります。
ビームライフルは先述の突起パーツを用いてウィングバインダーもしくはスタビレイター基部に装着させる事が出来ます。
裏面も隙無く纏まっています。
ジェスタと絡めずにはいられませんが劇中では随分と酷い扱いでした(笑)
それでもep7に登場したことでゼータプラスも正史に名を連ねることとなりました。
ep7劇中でゼータプラスとグスタフ・カール、その他シャイアンの人々はただただブライトさんやトライスター等ロンドベルの圧倒的な有能さを引き立てる役回りでしたがそれでも私はかなり嬉しかったですね。20数年の時を経て遂にサンライズアニメに登場したわけですから。
劇中シーンを再現しようとするとどうしてもこういう絵になってしまいますが(笑)
劇中の扱いを払拭するべく当ブログでカッコ良く仕上げていきますのでゼータプラスファンの皆様ご期待ください!!
ということでHGUCゼータプラス(ユニコーンVer.)パチ組レビューでした。
ついつい力が入って写真多めになりました。多くのガンプラビルダーにとってまさに念願かなってのキット化ではないでしょうか。
私の制作プランは先ほど申しました通り、首接続部の延長、胴体の延長、足の合わせ目を絶対に消す!というくらいであれこれ難癖を付けた割には言葉にするとこれだけの改修で自分好みのゼータプラスになるような気がしています。
ゼータプラスと言えば硬派なC1、そしてA1でもアムロ機とされた派手なカラーリングの機体、そしてあのハミングバード(!!!!)を始め、その他B/Dやら配色違いやらも含めると膨大なバリエーションが存在します。
ランナーの至る所に仕込まれたスイッチを見るからに当然ながら今回のUC版だけで終わらせるつもりはバンダイさんには無い筈です(笑)
とっかかりとなるUC版が出たことで金型流用による商品展開が可能になりましたので今後の展開に期待大ですね!
当ブログでは袖付きズサ、シュツルム・ガルス完成後にこのゼータプラス2体同時で制作に入る予定です!
今後も余裕があればちょくちょく購入して旧キットとミキシングしたりするかも知れません!ご期待くださいませ〜〜〜〜