ガイアノーツのクリアーレッドが手持ちラスト一本という事態に陥ってしまいましたので代役を務める事が出来る塗料がないかあれこれ試すことにしました。
まぁすぐ再生産再供給されるとは思うのですが念のため不測の事態に備えておこうというわけです。
山ほど自宅にこの手のスプーンが未開封のまま溜まっていますのでこれを試し吹きに使います。
塗装条件はクレオスの黒サフの上にEXシルバー。
溶剤はガイアのプロユースシンナーを用いてコンプレッサーはクレオスL7で同圧という条件。ハンドピースもシングルアクションを使用し塗料によって吹きムラ無く公平に比較する事に拘りました。
ここに四種類のクリアーレッドそれぞれ試していきます。
念のためスプーンの内側にこんな調子でメーカー名などを書いておくと取り違えリスクを低減出来ます。
まずクレオス47番「クリアーレッド」を試します。
恐らくこの塗料が日本で最も入手し易いクリアーレッドなのではないでしょうか。
この塗料に限りませんが私は薄めに希釈して複数回に亘って対象物にエアブラシ塗装します。
特にメタリック系塗料の上にクリアーカラーを乗せる時は金属粒子を泳がせないためにも最初の数回は薄吹きが鉄則であると考えています。
何度も重ねて塗り終えました。
なんというかクリアー塗料のくせに透明度が低いんですよね(苦笑)
実物ではその傾向がさらに顕著でクリアー層の下にあるEXシルバーの金属感はかなり殺されてしまいます。
まぁ塗装環境や希釈率、溶剤をリターダー入りのものにする、塗装後光沢クリアーコートを吹き付ける等で見え方が変わる場合もあるのかもしれませんが、それでも悪い意味で隠蔽力が高いという点はかわらないのでは?と思います。
お次は名誉挽回するために再度クレオスに登場してもらう事にしました。
クレオスGX121番「GXクリアールージュ」という商品名ですが充分赤みが強い塗料でクリアーレッドとして使える筈です。
おおおおおおお!
かなり鮮烈な発色となりました。
ただ、個人的には明る過ぎる印象を持ちました。イタ車っぽいというか。ですから、そういった用途にはかなり有力な塗料なのかも知れません。あとこちらも隠蔽力は悪い意味で強めで下のEXシルバーの金属感がかなり低減された印象を持ちました。
お次は当ブログ定番のガイアノーツ041番「クリアーレッド」。
好みや用途によるのかも知れませんが、私にとってこれこそがクリアーレッドです。
鮮やかさと深みが共存していながら下層のEXシルバーの粒子感をしっかり透過させているのです。この深みと透明感と鮮やかさ、なんというかもうそこはかとなくエロいんですよね。溌剌としながらも思慮深く、そして色気があるというか。
この色気がカーモデルやサザビーやナイチンゲールで発揮されるわけです。一度使うと病みつきになる魅力に満ち溢れています。しかも今回紹介した塗料の中で1mlあたりの単価(ヨドバシでも販売価格基準)165円(税込)は最も安いという点も見逃せません。
今回最も期待していなかったタミヤのラッカー系塗料LP-52「クリヤーレッド」。
初めて使ってみたのですが、長年当ブログにおいて女王の座に君臨していたガイアノーツ041に比肩するかそれ以上の鮮やかさ、深み、透け度を発揮しました。
下層の金属粒子を暴れさせない点もガイアノーツに似ています。
この塗料の最大の弱点はキャップの色だと思います。
このキャップの色からこの美しい発色を想像するのは難しいので店頭で著しく容器の外見で損していると思いますがね。
個人的にはガイアノーツ041とタミヤLP-52があればもう事足りるな、と思いました。
店頭でどちらも枯渇するというケースはそうそうないでしょうから当面安心してクリアーレッドの塗装に専念出来そうです。
左右の並びを変えてみました。どちらも非常に素晴らしいです。
こうやって並べてみると左端のクレオス47番はどうしても見劣りしてしまいます。
大昔からある塗料なのでどうしても不利になるのかも知れません。
写真で見るとクレオス47もまあ良い感じに見えなくもないのですが、実物はかなりくすんでいます。兎に角今回の試し吹きでタミヤLP-52に出会えたので個人的には大収穫であったと言えます。
サザビー、ナイチンゲール、シナンジュ等々は勿論、積んでいるマツダのロードスター等に使っても抜群にも非常に合いそうです。当ブログではクリアーレッドに関してはガイアとタミヤメインでやっていきたいと思います。
先発企業故に今回どうしてもクレオスが不利な内容となってしまいました。
あくまで私の個人的見解ですが、クリアーレッドの性能はかなりの実力差があると思います。
反面クリアーパープルに関してはガイアよりもクレオスのGXクリアーパープルの方が性能が高いと当ブログで何度か書いて来た通り、色によって各社得手不得手があるようです。という事で今回は以上です。